愛をこうひと
「母さん、なぜ私を生んだの?」
虐待を受けながら育った娘は、ずっと自問していた―。
一度は自分を捨てた母に、父の死後引き取られ、ともに暮らすようになった照恵。しかし、それは実の母親から壮絶な虐待を受ける、地獄のような日々の始まりだった。やがて自らも母となり、やっと穏やかな生活を手に入れた照恵だったが、1本の電話が、彼女の封印してきた過去の記憶を呼び覚まし…。
虐待により踏みにじられた魂の再生を、曽根富美子が描ききった感動作。
原作のその後を描いたオリジナル番外編『闇がひらかれるとき』、原作者・下田治美氏の解説文も収録した完全版。